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訪問日 2019年7月13日
活動の形態:上級滝めぐり/ 車
装備:8mm×30m+8mm×40m (計2本), 沢タビ, 撮影機材
感動度:限りなく(与左衛門)
悲壮感漂う雨予報とともに、
なし崩し的に突入した
僕とはんぺんさんの海の日三連休。
3日間の活動地域を岐阜に設定し、
初日は飛騨の小坂町、椹谷支流、
与左衛門沢の与左衛門滝に決定。
今回は初めましてで、
女性、アンさんとご挨拶。
去年、Kと椹谷を訪れた際は、
リサーチ不足のため、飛石谷を遡行したり、
関門の滝ゴルジュの左岸巻きで
4時間を要した上、撤退していたが、
今回は、迷わず右岸巻きで行く。
1年ぶりの椹谷
果敢にトラバースを仕掛けているのが、
アンさんである。
はんぺんさんは10年ぶりの椹谷で、
当時は関門の滝を見ていなかったそうで、
近くへ。
去年は去年で美しかったのだが、
今年はまた違う雰囲気も感じて感動。
2018年
2018年は苔感が強く、倒木も印象的であった。
はんぺんさんも、
たいへんお気に召されていたようだ。
そうして、
ゴルジュ手前から少し戻って、
右岸巻きに入るが、
ところどころ、
沢登りの領域のトラバースや
斜面這い上がり等があり、
初心者には厳しいところ。
しかししかし、
アンさんは、
全てを苦もなくこなしていくや、
「どれも初めての経験です♪」
と、のたまう。。。
途中で高度を上げると、
回廊の滝への巻き道に
合流することができた。
その途中、時折、対岸を見渡すと、
猛烈な溝が何箇所か確認することができた。
あのどれかが、左岸の、
あの世ルンゼ・閻魔ルンゼなんだろうか。。。
(どちらも、江戸切子命名)
最後の方はやや、道が不明瞭になるも、
ロープづたいに沢に降りて終了。
この場所で少し上流に進むと、
右岸から見た目35m程度の
多段スダレ状滝がかかっている。
この滝は公称100mと言われている。
この滝にはとりわけ強く
心を打たれるものはなかったが、
それでも滝前は寛げる場所なのが良いところ。
さて、与左衛門谷は、
やや、下流側にあるが、
真正面からの沢遡行は困難。
事前に滝ペーさんから得た情報を元に、
しばらく椹谷の本流を進んだ後、適当に
斜面に取り付いていく。
しばらく進んだ4m滝
しばらく進んだ5m滝
ようは、与左衛門谷の、
前半の滝群を(与左衛門谷の)
右岸大高巻きで越えるということ。
これは大きな高巻きなので、
10〜20分ですぐに終わるものではない。
斜面を着実に上がり、コルに到達。
下降地点を見極め、
傾斜がきつい斜面を状況によっては、
ロープも出しながら降りる。
ここでアンさんは、
練習がてら懸垂下降を実践する。
そうすると、僕が去年見た、
険悪な20〜30m級の滝は巻き終えていたが、
見え隠れする与左衛門滝の前に、
いくつか滝が控えている。
与左衛門谷の圧倒的な左岸
2連瀑を右岸トラバースによって、
やり過ごすと、ようやく
与左衛門谷に入渓。
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ここから滝までは
20m級の多段前衛連瀑があり、
滝ペーさんの記述によれば、
さして困難はないとのことだったが、
ロープを出した
5mスラブ滝があったり(ワンムーブIII+)、
比較的最近くずれたっぽい、
巨岩が多かったり、
ある程度の登攀力も
要求される連瀑帯となっていた。
なんとか、
突破し滝前に。
震えた。
谷はこの場所で、
狭まりを見せて、
奥にて一箇所に集約される。
閉じている地形。
そして、滝はその真奥ではなく、
左の垂壁にかかっている。
容赦ない水しぶきの総量。
高い高い両岸。
一段低い遠目の場所をベースとして、
時間を過ごし始める。
天気は曇りだが、
お昼頃と季節もあって、
下まで光は届いていた。
与左衛門の空気感。
それは
・威風堂々
・曇り、冷たく、重たい
・ふわふわ
・隔絶、狭さ、圧迫感
・スペシャル
そんなところだろう。
正面だと二条の大滝。
見る角度に応じて、
姿形を変える。
滝前は整った部分と
荒れた部分が両方存在。
荒々しさが強い滝だけれども、
限られたスペースに自然の妙を感じる。
この後は、昨年見れなかった、
回廊の滝を目指しに。
一箇所スラブの降りで、
ロープの回収に難儀したが、
登り返してノーロープで下降。
来た道を戻って、沢床に復帰。
上流へ進むと夫婦型の
9m程度の滝に行きつく。
この滝の少し手前の右岸は、
かなり難しめな巨岩、
チョックストーンが通せんぼをしていたので、
滝手前に近づく。
こちらは、完全な崩壊地形。
ここは、だいぶ、
安易に取り付いてしまった。
ボロボロと崩れる斜面に
ボルダリング的な難しさはないが、
アルパイン特有の不確定要素が高い。
中間支点を取ることはできない。
IV級程度。
上部の木に到達したが、
今回の大きな反省点。
この後、上流の探索へと向かう。
回廊の滝を小さくしたような
+小さくは決定的に負けない
面白い滝に出会う。
大きな丸い岩が、
廊下の上に挟まっていて見事。
なかなか見ない形で感動。
目指す回廊の滝は、
ほんのすぐ近くのはずだが、
今回はここにて時間切れ。
敗退を決定。
帰りは関門の前ではなく、
入渓点あたりに戻るよう、
かつての道を辿ろうとするが、
確かな道筋は少ない。
最後は地形図に
水線が書かれた沢に下降。
林道を歩いて、
車にたどり着いた。
(ログ 林道途中から)
その後、ひめしゃがの湯から、
上呂の大安食堂でマトンを食し、
下呂市のコインランドリーで洗濯。
眠さで時おり意識を飛ばしながら、
滝談義を続け、翌日の計画を立案。
まずは大倉滝へ向かうこととなった。
僕にとって2度目の椹谷では、
与左衛門滝と、少し本谷の先を知れました。
あの夫婦型の滝横の突破が、
僕が今まで通過した斜面の中でも
最悪の1つで困難。
また、ミニ回廊の入り口あたりで、
かなり登攀的な登りをするか、
どこかで大高巻きをする必要があり、
そのため、回廊の滝への
到達難易度は上がっています。
同じ谷に通うことの楽しさを
椹谷は教えてくれているような気がします。
また与左衛門滝の先人の皆さま、
ありがとうございました。
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