椹谷の滝

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椹谷の滝
—【岐阜県 下呂市 小坂町 落合】—

滝の記録

訪問日 2018年6月16日
活動の形態:2級上沢登り (2人) / レンタ
装備:8mm×30m, 沢タビ
感動度:けっこう〜かなり(唐谷滝)

ひとこと

最近では、うまくいかなくて、
撤退することになった時には、
その回は「〇〇 1st」と名付けて、
物事を前向きに捉えたりしている。

そんな、僕にとって、
椹谷1st」となった活動。

①おさかへ

当初の目的は長野県だったが、
雨天予報のため、隣県の岐阜にスイッチ。
以前から気になっていた、
濁河川支流の椹谷をチョイス。

詳し目のリサーチはしていなかったが、
数々の滝々を沢遡行で抜け切って、
林道で戻ってくるのが大体の作戦となる。

根尾の滝に行った時に、
通ったであろう道を進んで、
初めて巌立公園で巌立を眺める。

ここから三つ滝〜唐谷滝、
あたりまでは、約5万4000年前と、
比較的最近噴火した際の地質。

三つ滝へ。

なかなかの三段滝で、薄暗い中、
良い雰囲気を醸し出していた。

②朝のひと時

林道を進み、今度は、
2つの滝を見に行く。

以前から名前はよく聞いていて、
訪れる機会を逸していた。

あかがねとよ

椹谷の支流に、
ひっそりと落ちる綺麗な滝。
空間的な美しさが秀でていた。

唐谷滝

この滝にはかなり感動。
豪快、特異な岩盤、包まれる雰囲気。

早朝のひと時を、
椹谷下流部の名瀑で、
優雅に過ごすことができた。

③ミスとアスレチック遡行

ゲート前で準備をして、林道歩き。
飛石谷がぶつかるあたりで適当に斜面を下る。

沢にぶつかったので、
そのまま12~3分上って行ったが、
まさかの飛石谷を遡行してしまうミス。

気を取り直して、
椹谷に下降する際、最後が崖だったので、
ロープを出して広河原に降りた。

ここからしばらくで樹林帯。

しばしば大岩が出てきて、
それをアスレチック感覚で乗り越えていく。

時に、小さく高巻きをし、
時に、岩と遊んで、上流へ。

④関門の滝と事故

そうして関門の滝。

光線が入ってきていた。

なかなかに素晴らしい空間。

休憩の後、さらに先へ進むが、
小滝の乗り越えは、
リュックが大岩に挟まるので、
フリーで突破して後でリュックを引き寄せる。

そして3mほどの岩場を上った先に、
2条5m滝と、その奥に悪そうな10mCS滝が。

本来この場所は、
関門の滝ごと高巻きがセオリーなので、
来ないパーティが多いですが、
「小坂の瀧魂」ページで拝見していて、
とりあえずやってきた。

同行のKがここは泳ぎたくないとのことで、
5m滝の高巻きルートを模索するために
少し戻り始め、左岸からルートを検討。

高巻きルートを探る過程で、
左岸斜面に乗り出していたその時、
右足がツルッと滑って、
止まることができなかった。

高さ3mほどの、
角度を少し変える溝状の箇所で、
3回ほどに回数を分けながら、
滑落してしまう。

痛い。。。

コンデジがあった、
左胸ポケットは岩にぶつかり、
痛みが出たのは右膝とその下のすね周辺。

派手な滑落で、Kにも心配をかけたが、
少し休んだら膝に痛みはあるが、
動くことができた。

⑤入り口

5m滝の小さな巻きは、
この状況下到底厳しそうなので、
関門の滝より下流まで引き返す。

なんとか遡行はできそうだったので、
関門の高巻きを開始。

両岸を見渡すと、右岸は絶壁で、
左岸はわずかに登れるルートがあった。
そのため、左岸を選択。

これは地獄の入り口であった。

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⑥あの世ルンゼ

際どい傾斜をやや強引に上がっていき、
しばらくトラバースができそうにない、
絶壁が左岸を形成しているので、
高度を上げ続ける。

そんな崖地形が60m以上続き、
正直これは間違えたなと思い至る。

しかし、こちらの地形図が
崖地形と崖地形の間に、
「急傾斜」がずっと続いていたので、
この急傾斜をひたすらトラバース案の可能性、
+左岸を巻き終えれば、「与左衛門滝」
にそのまま行ける可能性があることから、
あえてこのまま左岸巻きを継続。

高度は100m以上、上げたんだろう。

ひたすら上がり続けて、
このまま撤退の可能性も浮かぶが、
わずかな急傾斜にトラバースを掛けて、
徐々に徐々に上流側へ足を進め始めた。

そうしたら、その急傾斜の中に
ルンゼが現れて、懸垂下降でルンゼに降りる。

下は、うまいこと、
CS滝の上になってないだろうか?

ルンゼの落ち口に近づいて見たが、
ニコニコで下降した時以上かもしれない、
論外な地形(あの世ルンゼ)で、
慎重なトラバースで通過。

わずかに脱出のための傾斜があり、
そこを這い上がって先に進む。

⑦閻魔ルンゼ

その後は、今度はかなり上部まである、
深いルンゼがあり、ここに降りるのは
あり得なかったので、50~60m高度を上げて、
落ち口をトラバースして上流へ。

さらに難所をこなして、
GPSで与左衛門沢が近づいてくると、
またもルンゼが行く手を塞いできた。

30mロープを頼りに、
僕が先行で隅のクラックを下るが、
ロープのセット位置が悪く、振られたら、
降りることも登ることもできない
危険箇所だったので、
懸垂にはせずに掴んで下降。

Kにはロープ支点位置を下に下げて、
下降してきてもらったが、
クラックの直前に降られて、
ロープの結び目が下降器に挟まって、
身動きが取れなくなってしまう。

支点を下げていたのが幸いし、
かろうじて脱出できたが、ここの一件で、
かなりメンタルを消耗してしまったようだ。

この「閻魔ルンゼ」も、
落ち口は川までは40m以上ありそうな垂壁。

閻魔ルンゼから這い上がるK

⑧与左衛門 左岸

そしたら、いよいよ
最後のゆる目のルンゼがあって、
期待を込めて与左衛門沢を
左岸から見下ろしに行った。

そこは絶壁。

右側には木々に隠れながら、
20~30m級(?)の与左衛門の滝の門番滝
と思われるような滝が見え隠れし、
到底沢底に降りられるような場所ではない。

地形図からは尾根を下れば、
(懸垂で30mロープを多用しながら)
下まで降りれそうな感じだったが、

地形図ではただの急傾斜だったはずの、
今までの場所は随所に、
ルンゼが走っていたことから、
この場所の地形図を信用できなくなり、
かつロープ長30mというあまりの短さ、
うまくいかなかった時の登り返しの恐怖。

高巻きを開始してから、
すでに3時間以上が経過。

回廊の滝はかなり見たかったですが、
撤退へ舵を切ることにします。

左岸は自身の高巻き力を試したい
という巻き屋・ルンゼ探訪家、
の方以外はおすすめできません。

⑨脱出

脱出への唯一のルートは、
崖と崖の間が描かれている場所。
ここに関しては地形図通りで、
尾根を辿ることに成功。

途中、与左衛門滝を
遠望することができた。

ようやくルーファイが決まり、
最短ルートで林道に出て引き返しへ。

その後ひめしゃがの湯からの、
近くの定食屋で反省会をしていたら、
富山のおでんさんにお会いできました。

翌日に、まさに今日の場所、
与左衛門の滝オフがあるとのこと。

翌日は結局、
別の場所に行くことになりましたが、
思わぬところでお会いし、嬉しかったです。

⑩リカバリー

今までもリサーチが足りなくて、
敗退したことはあって、その度に、

「丁寧に行こう」
「調子に乗ってはいけない」

などと
自分を戒めてきたつもりだったが、
それが全てではないということ。

関門の滝一帯は右岸巻き
という情報だけ知っていたら、
間違いなく回廊の滝は見れたし、
その先の滝群も見れたとは思う。

しかし、それだけでは、
「答え合わせ」に過ぎないんだろう。

と、同時に痛感したのは自身の無力さと、
リサーチ以外の部分での
リカバリー能力のなさ。

水平距離にして340mの左岸高巻きに、
3時間以上かかる過去最大の斜面が
相手だったとは言え、なぜ30mしか、
ロープを持っていなかったのか。

長いロープを携行せずに、
どれだけ余計なものを持って行っていたのか。

決意した軽量化。

そもそもなぜ滑ったのか。

答えは右足だけ特に磨り減った沢足袋を、
横着してもう一度と思い使ってしまったから。

右足だけすり減るということは、
体のバランスを整える必要があるんでは?

自分の目によるルート選定要素、
という冒険を楽しみたいのであれば、

極限までリカバリー能力を高めるための、
普段からの努力が必要なんだということを、
深く、椹谷は教えてくれました。

翌日は、白水の滝です。

コースタイム
4:35 巌立
5:25 唐谷滝
7:43 林道歩き開始
8:57 椹谷遡行開始
9:54 関門の滝
10:25 2条5m滝前
<滑落+引き返して高巻き開始>
12:52 閻魔ルンゼ這い上がり途中
13:40頃 与左衛門沢左岸着
<ルート模索も打開できず>
14:30頃 撤退開始
15:01 与左衛門滝遠望
16:04 林道着
17:05頃 車着
→ひめしゃが
19:00頃 おでんさんにお会いする

怪我が膝の青たんで済んだのは、
入念なストレッチと、
これを飲んでいたからかもしれない。
グルコサミン・コンドロイチン