滝いろ|大ノ山沢の滝

活動記録



大ノ山沢の滝

大ノ山沢の滝—【神奈川県 上足柄郡 山北町 玄倉】—

滝の記録 ~驚きのV字ゴルジュ大滝~

訪問日 2017年11月26日
活動の形態:中~上級滝巡り (2人) / 車+電車
装備:8mm×30mm, 8mm20m, 沢タビ
感動度:かなり~限りなく(Superゴルジュ)

①小遠征2日目

前日のダルマ沢は、
余裕を持って引き上げたので、
疲れはほとんどない。

あっきーさんに拾っていただき、
玄倉の無料駐車場へと向かう。

朝は中々な寒さでした。

②堆積物の出合

目指す大ノ山沢は、
玄倉川のゲート沿いに進んでいき、
左岸側が丸みを帯びて、
「玄倉 原尻の滝」堰堤の先の、
開けた河原状の対岸にある。

土砂が押し出されて、
丸みを帯びて堆積していて、
こんな場所に沢があるなんて、
信じられないけれど、ガレを少し登ると
右手に早速滝が見える。

③ゴルジュ入口の突破

3段11m滝

いきなり核心のゴルジュ地形がスタート

最初の4m滝が越えられないと、
大きな高巻きになってゴルジュに
入っていけなくなる。

左側の急な階段状を
登って降りるルート(II+~III-)
か、水流右を直上するルート(III)があって、
僕は後者を選択。

途中一部足の置き場が少なくて、
苦労しましたが突破。

そうすると上部の、2m+5m部分が。

右からなるべく釜に浸からないように進み、
流心沿いを直登(III-)。

こちらの方が、
最初の4mよりも簡単でした。

この先にナメ状4m滝があり、
それを左から簡単に越えると、
ついに目的地に到達します。

④V字ゴルジュに落ちる垂瀑

物凄い地形の中に、
恐ろしく整った黒光る滝が落ちてました。
(ゴルジュ大滝)

両岸絶壁のV字ゴルジュ。

丹沢にこんなゴルジュがあったとは。。

滝1段の落差は13mほどか。

水量は決して少ないわけでもなく、
滝として十分成立しており、
見事な一本。

上にも連続して滝が続いている模様。

しばし、滝前にて時間を過ごしました。

⑤脱出

さて、この滝は脱出が大変。

登れないので、4m滝落ち口で、
左右両岸を見渡してみるが、
左岸は切れていてありえない箇所あり。

右岸は上は緩めの尾根状になっていて、
「木」まで到達できればなんとかなります。

そこまでは4~5mの、
かなり立っている壁のクライミング。

手がかりはあり、
ルートは見えますが、滑った時
4m滝下方面に滑ったら命はないです。

今回、ハンマー・
ハーケンなど登攀装備がなく、
中間支点を取れなさそうだったので、
何れにしても「木」までに、
落ちてしまったらダメな状況です。

それでも、あっきーさんに、
4m滝下には落ちないように、
最低限の確保はしていただき、
壁に取り付きます。

昨日からの連続で、
感覚が増していたのか、
進んでいけます。

最初の4mに比べたらましで、
三点支持を確実に登って、木に到達。

⑥テラスからの眺めと上へ

ここからだと、
下の13mだけでなく、
さらにその上の、3m+4mの段爆が見える、
これまた絶景スポット。

撮影をしっかりしたら、
尾根を登り続けます。

ここの右岸尾根は、
傾斜を増し、滑って止まらなければ、
そのままアウトな場所でした。

あっきーさんが掴んだ、
大きめの木が腐っていて、
滑落しかけましたが、ちょっと下に僕がいて、
動きが止まって良かったです。

⑦ゴルジュの中へ

しばらくで仕事道にぶつかります。

そこから滝を巻いて、
ちょっとした滝が見えたあたりで
20mザイルをシングルで木に結んで下降。

それは3mナメ滝で、
ゴルジュ大滝の落ち口が見たいので、
下降してきます。

テラスからも見えた、
3段大滝から少し上の2.5m滝も下降すると、
ついにゴルジュの上。

2.5m滝

ここからはノーザイル下降は有り得ません。

左岸側の高いところにあった、
倒木は腐りかけで動いてしまいアウト。

右岸側の木の根っこが、
かなりしっかりしていて、
そこを支点に30mザイルを伸ばしていく。

1人ずつ13m直瀑の落ち口を目指して、
時間を分けて撮影することにします。

2段7m部分を下降するときは、
傾斜が急すぎて足場が下までなく嫌な感じ。
懸垂もシングルだと伸び幅が大きくて、
慣れておく必要があると感じました。

⑧大ノ山の果実

降り立ったゴルジュ大滝の真ん中!
から眺めた景色!

確保されている状態でしたが、
かなり恐ろしい空間です。

2段7m滝

時間を分けたのは2段7m滝の
撮影時にロープが写らないように、
なんですが、

そのためには、恐ろしく危険な場所で
確保解除というリスクが必要です。

僕は撮影時確保されてましたが、
あっきーさんはあえて確保なしでした。

⑨帰路へ

あとは、少し上部の
7m滝を撮影して終了。

玄倉のバス停からも十分歩ける距離で、
出合から核心までの距離が短いので、
今回のような午前中のみの活動に最適でした。

堰堤!(原尻の滝に似てる)

山北駅にて解散し、
僕は桜の湯へ。

松田では降りず、
国府津まで行って珍しく、
東海道線で戻りました。

⑩まとめ

大ノ山沢は7m滝までの
突破だけで引き返しなら、
林道からの往復2時間を切れるような沢です。
(撮影をあんまりしない場合)

要所要所で、
登攀・高巻き・ザイルワーク
の技術が要求されるので、
中~上級者向けの滝巡りとなります。

V字ゴルジュは圧巻なので、
自信があればオススメです。

表丹沢・西丹沢は奥多摩に比べて、
滝のある場所から「市街地」までが近く、
今回みたいな活動がしやすいことを
実感しました。

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